[東京 22日 ロイター] - 米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズ[UBER.UL]は22日、兵庫県淡路島で同社のアプリを使ってタクシーを配車する実証実験を行うと発表した。公募した島内のタクシー会社に配車システムを提供し、今夏から来年3月末まで実験する。外国人観光客や高齢者などが島内を簡単に移動する新たな交通手段になるよう、地元自治体は利用動向や実績を検証する。
ウーバーは現在、日本では京都府京丹後市と北海道中頓別町でボランティアが運転する自家用車を利用したライドシェアの実証実験を続けているが、今回のようにタクシー会社が参加する実験は国内で初めて。淡路島での実験を機に全国での展開につなげたい考えで、同社の広報担当者によれば、都市部などのタクシー会社20社以上と交渉しているという。
乗客はスマートフォンにウーバーの配車アプリをダウンロードして利用する。配車が確定したタクシーのドライバーや車の番号、想定配車料金、到着予定時刻が事前にアプリ上で分かり、運賃の支払いもアプリを通してクレジットカードで精算ができる。日本語が話せない外国人観光客にとっては便利だ。
ウーバーは一般の人がドライバーとなり、自家用車を使って空き時間に客を運ぶ「ライドシェア」と呼ばれるサービスを米国で2010年に開始。米国では主要な交通手段に成長しており、同社の配車アプリは世界70カ国600以上の都市でも利用されている。
ただ、日本では道路運送法のいわゆる「白タク行為」に当たるほか、タクシー業界からの反発などを受け、ライドシェアの本格展開ができずにいる。東京ではアプリでハイヤーを配車できる「ウーバー・ブラック」、東京や大阪などで食べ物の出前サービス「ウーバー・イーツ」を始めている。
日本では戦略を変更し、タクシー会社向けの配車システム事業で市場を開拓する狙い。淡路島の実験を機に、大都市圏への事業展開につなげられるかが今後の焦点となる。
*本文5段落目の表現を一部修正しました。
白木真紀
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