
武田とシャイアーの経営陣が合意に達したことで、日本企業で過去最大となる海外企業の買収劇は大きなヤマを越えた。武田は買収で有力な新薬と市場の両方を手に入れ、「メガファーマ」と呼ばれる巨大製薬会社の一員として、米ファイザーなど世界大手に対抗する構えだ。
製薬大手が収入源とする新薬の開発には、巨額の費用や手間がかかる。このため業界では、海外中心に買収で新薬を取り込む動きが以前から行われてきた。武田も日本では珍しく、「欧米流」の経営を志向。平成20年に米ミレニアムを約9千億円、23年にナイコメッド(スイス)を約1兆1千億円で買収し、昨年も米アリアド・ファーマシューティカルズを約6300億円で傘下に収めたばかりだ。
武田を大型買収に駆り立てるのは、将来への危機感だ。稼ぎ頭だった糖尿病治療薬の特許が23年に切れて以降、同社の収益力は目に見えて低下。29年3月期の連結最終利益は1149億円と、国内2位のアステラス製薬の約半分しかない。新薬候補も「物足りない」(国内証券アナリスト)と指摘されてきた。
しかも、国内では高齢化の進展で医療費が増加。政府は対策として薬価引き下げや後発薬の普及を進め、収益環境は厳しさを増している。シャイアーは米国の売り上げが6割超を占め、最大市場である同国への進出を加速したい武田にとって理想的な相手だ。希少疾患の治療薬を手掛けるシャイアーの取り込みで、有力な新薬も増える。
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