2018年1月15日月曜日

銀行員の転職希望者が急増している背景

収益悪化で人員削減への不安

転職活動する銀行員が急増している。

人材サービス大手リクルートキャリアに転職希望者として新たに登録した銀行員数は、2017年度上期(4~9月)に前年同期比で約3割増加し、その後も増え続ける勢いだ。超低金利に伴う銀行の収益悪化などで、人員削減への不安が高まっていることが背景にあるとみられる。

同社の集計によると、大手行と信託銀行、地方銀行などからの登録者数は16年度上期に前年同期比29.9%増加、17年度上期もさらに同29%増えた。昨年秋以降、メガバンク各行が大規模な人員削減策を公表すると、「将来のリストラ不安から転職希望者が殺到するようになった」(転職紹介大手)という。

リクルート社が提供する転職紹介サービス「リクルートエージェント」には、16年度で全業界から約50万人が登録しており、銀行からも多い。ただ、銀行からの具体的な登録者数は公表していない。政府の労働力調査によると、16年の転職者数は306万人で前年より3%弱増えた。銀行員の転職希望者の増加率は、それを大幅に上回る水準だ。

大手行で5年間働いた男性(27)は昨年10月、人材サービス大手に転職した。当初は定年まで勤めるつもりだったが「銀行のビジネスモデルの将来性に不安を感じた。同時期に入社した数百人も半数はすでに銀行を去った」と話す。

転職紹介大手によると、給与水準が高いメガバンクでも、外国為替を担当していた行員が、年収200万円減で将来性のある製造業の企業に移った事例がある。最近は地銀でエース級とされた行員が出世コースの東京支店に配属されたタイミングで、首都圏の大手企業への転職を目指すケースが目立つという。

銀行員の転職は地銀再編が相次いだ15年頃から目立ち始めた。経営統合に伴い店舗の統廃合などで人員を減らすことが多いためだ。

日本銀行が16年2月にマイナス金利政策を導入後は、貸出金利の低下で銀行界の収益が悪化傾向にあり、待遇面への懸念から転職希望が増えたとみられる。ロボットや人工知能(AI)の活用などで、店舗や人員を大幅に削減する流れが強まるとも予想されており、転職に拍車がかかっている。

リクルートキャリアで金融業界の転職を担当する福元崇之マネジャーは「人手不足の建設や不動産、製造業が好条件を示していることも、銀行員の転職を促している」と話す。

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